プロジェクト概要
1839年創業の酒蔵・富久錦は、1992年に業界にさきがけて全量純米による酒造りに踏み切った。北川一成が「米、水、人」にこだわる蔵の姿を伝えるための新しいCIを手掛けた。当時の日本酒のラベルには書家が書いた筆文字が使われていることが多く、日本語が読めない人にとっては識別しにくい。それに加えて「Fuku」や「Nishiki」の音の響きや、漢字の印象が似ているお酒が多くあるという課題もあった。そのため、認知しやすく、また差別化しやすいようにシンボルマークを前面に押し出したCIを提案。日本独自の文字である“ひらがな”の「ふ」と「く」を内包し、稲穂のイメージも重ねている。手描きでレタリングしたようなタイポグラフィだが、すべてデジタル上で調整し、印刷技術と組み合わせて、地域に密着した食の安心感や豊かさを感じさせる表現とした。
スタッフクレジット
北川一成 / 村部悠蔵 / 吉本雅俊