総合開館 30 周年記念 鷹野隆大 カスババ ―この日常を生きのびるために―
東京都写真美術館

プロジェクト概要

「鷹野隆大 カスババ ―この日常を生きのびるために―」は、総合開館30周年を迎えた東京都写真美術館が、その特別な一年の第一弾に開催する展覧会だ。
GRAPHは展覧会ロゴに加え、広報用印刷物や図録、展覧会場のグラフィックのアートディレクション・デザインを担当。
デザインは、鷹野氏と共にお互いのアイディアを出し合い、一種のコラボレ ーションのように制作された。

[趣意文]
鷹野隆大(1963-)は写真集『IN MY ROOM』(2005)で第31回木村伊兵衛写真賞を受賞し、現在も国内外で活躍を続ける写真家、アーティストです。鷹野は『IN MY ROOM』に代表されるセクシュアリティをテーマとした作品と並行し、〈毎日写真〉や〈カスババ〉といった日常のスナップショットを手がけ、さらに東日本大震災以降、「影」を被写体とした写真の根源に迫るテーマにも取り組んでいます。本展のタイトルである〈カスババ〉とは鷹野による造語で、カスのような場所(バ)の複数形です。
大規模な自然災害や感染症の世界的流行、経済発展による環境破壊や都市開発など、私たちは急速な時代の変化の渦中を生きています。鷹野は美しいものだけではない現実を受け入れ、弱いものもみにくいものもそのまま、むき出しのイメージを見る者へ提示します。私たちは、身近でありながら目を凝らして見ることのない、自身が生きる日常の豊かさと混乱を、鷹野の作品を通しあらためて目にするでしょう。初公開作品を含め鷹野の軌跡を概観する本展が、出口が見えなくなりつつあるこの日常を生きのびるヒントとなればさいわいです。

[展覧会名]総合開館30周年記念 鷹野隆大 カスババ ―この日常を生きのびるために―
[日時]2025年2月27日(木)-6月8日(日)
*休館日:毎週月曜日(ただし、5月5日(月)は開館、5月7日(水)は休館)
[料金]一般 700円/学生 560円/中高生・65歳以上 350円
[場所]東京都写真美術館
[主催]東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館

スタッフクレジット

北川一成 / 八戸藍 / 吉本雅俊 / 山田晴香